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多岐にわたる位置測位技術

多岐にわたる位置測位技術

衛星測位と屋内測位技術

正確な位置情報の取得は、時代とともに改善され、取得方法も多岐にわたってきています。
GPSだけでなく、Beacon,Wi-Fi,PDRなど様々なセンサーを利用した測位実験と開発を進めています。

GPSと高精度衛星測位

GPS測位

Global Positioning System(GPS, 全地球測位システム)は、上空にある数個のGPS衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、受信者が自分自身の現在位置を知るシステムです。スマートフォンやカーナビゲーションなど普段の生活でなじみのあるさまざまな端末で位置を測位することが可能です。

準天頂衛星システムと高精度測位

準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System, QZSS)とは、準天頂軌道の衛星が主体となって構成されてる日本の衛星測位システムです。4機以上の衛星で衛星測位は可能ですが、安定した位置情報を得るためには、8機以上の衛星が見えることが必要とされています。GPS衛星は地球全体に配置しているため、地球の裏側で見えない衛星があり、どの地点でも概ね6機程度しか見ることができませんでしたが、GPSと互換性を持った準天頂衛星と合わせると、安定した高精度測位を行うことが可能になります。(参考:内閣府)

屋内測位技術とセンサー

Beacon測位

Beacon(ビーコン)とは、Bluetooth Low Energy(BLE)を使って電波を発信する装置です。 この安価で扱いやすい装置を屋内空間に網羅的に設置し、位置測位対象となるスマートフォン等の位置情報を推定します。 また、逆にモノの位置を測位した場合は、モノ側にBeaconを携帯し、スマートフォンやタブレットを受信装置として活用することも可能です。 GPSでの位置測位が出来ない屋内での位置推定技術の中でも、汎用的な装置、端末を利用することが 可能なため、コストパフォーマンスの高いソリューションとしてご提供できます。

UWB測位

Ultra Wideband(UWB, 超広帯域)無線を利用したリアルタイム位置測位システムは、測位対象物(人、製品、部品、工具、設備など)に取り付けたタグが発信する電波を屋内に設置されたセンサー(30m~40m間隔)で受信し、個々のタグの正確な位置を特定します。8.5~9.5GHzの周波数帯に対応したタグとセンサー(受信機)を使用しているため、屋内に存在するタグの位置をリアルタイムで、より高精度な測定を可能です。世界の大手自動車製造会社やトップクラスの製造企業で採用されている測位方式です。

Wi-Fi測位

Wi-Fi測位エンジン「PlaceEngine」(提供:クウジット株式会社)により、屋内施設で行う位置把握、ナビゲーションなどをご提案いたします。“特定の部屋にいる”“特定の機械の前にいる”などの情報を取得は可能とされ、目的に合わせたご提案が可能です。

音波測位

スピーカーから発生される超音波をスマートフォンで受信し、屋内での絶対測位を誤差30cm程度での高精度で実現が可能です。天井など設備に、超音波(不可聴音)を発信する発信スピーカーを設置します。こちらのスピーカーを設置することで、広く天井の高い工場でも測位が可能であり、吹き抜けなど対応が難しいと考えられている場所でも測位精度が変わらず測位可能です。

デッドレコニング(自立航法/慣性航法)測位

GPS測位型、Wi-Fi測位型とは異なり、デッドレコニングとは各種センサから取得した値から、その対象がどの方向、方角にどの程度の力で移動したのかを判定し、現在位置からの想定位置座標を測定することで対象物の現在位置を特定していく測位方式です。車載型のカーナビゲーションは、GPSでの測位も現在地特定に利用はしていますが、ほとんどの移動情報は車体から取得する車速パルス、ジャイロ、加速度センサなどの値で現在位置を測定しています。このような方法を「自律航法測位/慣性航法測位」と呼びます。
弊社では 独立行政法人 産業技術総合研究所 が開発したPDR(Pedestrian Dead-Reckoning)センサモジュールを利用した人の位置情報把握を実現し、さらに他の絶対位置測位方式と連携したSDF(Sensor Data Fusion)測位により高精度でより詳細な人の動作把握を行うことを可能とします。

IMES(Indoor MEssaging System)測位

IMESとは、GPS衛星と同等の信号を用いる屋内測位方式で、GPS衛星からの電波の届きにくい屋内においても正確に位置を求めることが出来るように考えられたシステムです。 IMES方式は、日本の測位衛星システムである『準天頂衛星』の枠組みから発案され、IMES送信機は、その場所の位置情報をメッセージとして送信します。この方式が標準化された場合には、GPS受信機(*IMES対応のGPS受信機)を搭載した端末であれば、特別なハード追加なしで高精度な位置情報を利用できるため、スマートフォン、携帯電話などGPS受信機を組み込むことのできるあらゆる機器での利用が期待されています。

http://imesconsortium.org/